「硝子のハンマー 前編」2012.6.25 O.A. /演出:松山博昭 脚本:相沢友子
穎原社長@被害者(佐々木勝彦),佐藤学/椎名章(玉木宏)
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堪能した!
感想を一言で表現するなら、「すばらしいっ!」

この話、小説読んでるので、トリックも犯人もわかってたけど、
今までの榎本との兼ね合いをどうするの、
佐藤学の過去をどの程度ほじくるのかって所が、興味深い2点で、
榎本が実は泥棒なのか、とか、その辺はまったく気にしてなかったんだけど・・・

冒頭の純子のセリフ
「彼は・・・・ 突然姿を消してしまいました」
で、あら、もしかして榎本くん、どっか行く??
でも、そう見せといて、いつものわちゃわちゃで終わるってこともあるしな
って思ってたんだけど・・・・


オープニングCGを見て、娘と大笑い。(まとめに全て記載
いつも、全部見つけないと次に進ませてくれないんだけど、
今回は、元のCGどうだっけ?って程ヒントがてんこ盛りで、娘がすかさずツッコむ。
 「最終回じゃ思うて、盛り込み過ぎじゃろっ!」
二人とも小説読んでいるので、ヒントが出てくるたび、トリックと合致してきゃあきゃあ。

私が気づかなかった、 「デットコンボ」には娘が気づき
娘が気づかなかった「M.S. A.S./identity」には私が気づき・・・
このとき二人とも、トリックと結びつけられなかったのが「飛行機」だけ。
原作には出てこないアイテム。

で、しつこく「なんじゃろう・・・」 呟く私に娘が一言。
 「そりゃ、高飛びじゃろ。」
・・・ったく、小さい頃から刑事ドラマ見せすぎたわ。(笑)
でも、私も薄々思ってたので、それしかないなって思って、
「最後に榎本が行方をくらます」  ここで覚悟を決めた。

覚悟を決めてしまえば、まあもう怖いもんはないわけで
伏線をどう回収するんだろう。
犯人をどう追い詰めるんだろう。
トリック解明の役割分担をどう振り分けるのか?
楽しかった。

小説榎本は試行錯誤、あらゆる可能性をひとつひとつ潰していき、最後に回答に行き着くけど、
ドラマではあくまでも榎本は「天才」として描かれているので、
間違った説は芹沢か青砥の担当(笑)
今日のお二人も飛ばしてたな~。
芹沢さんは「そうか、そうだったのか。」も言うし、
一話も思い出して大笑いの、「出たよ、出ちゃったよ」も秀逸!(笑)

でも毎回、巧く二人が、榎本にヒントを与えてる。
今回も、何気ない雑談のように見えて、「そう、それ!」
トリックを知ってるだけに、その差し込み方に感心したりもした・・・

小説では、犯人側(椎名章)の物語が丁寧に書かれていて、
友達との交流とか面白かったし、宝石を盗んで逃げればいいものを
”殺さねばならなかった” 追い詰められた心情もすごく理解できたんだけど、
ドラマではそうもいかないだろうし~って思ってたら、
そうきたか!って目からウロコ。
確かに、「親の仇に復習」っていうのは、動機として文句つけられないっす。
ってか、それを考えつかなかった自分が悔しいくらい。
読んでなかったらそれを疑ったかもだけど、知ってるとこういう思い込みにも陥るのかあ。。。
とか思いながら、制作側が一枚上手じゃんって思うとなんか嬉しかったりする。
椎名も自首したって事は何かしら、自分で気持ちの整理ができたって事だし、
逃亡人生も終わったし・・・ 救いがあるもの。

ただなあ。
鴻野刑事が芹沢さんに見せた書類がやっぱお粗末なのよ~。
二枚目と三枚目の文章がまったく同じなのよ~。
写真も違うし、違う事件の設定っぽいのに。
私みたいなアホ暇人もいるんだから、資料はちゃんと作りましょう。
おかけでのあの書類ほぼ完璧に読めたわ。(笑)
でもやっぱり不思議かな。
榎本が犯人だと過程して、
指紋も痕跡も何一つ残さない、警備シテスムをハッキングして制御できる
そんなことができる人間が、なんで普通に監視カメラに映る?
監視カメラの死角も熟知してんのに?
映ってたら疑われるに決まってんだから、どうせなら映らないように細工するっしょ?

と、ドラマを冷静に見ている私とは別に
「あ、ここで頭ぶつけたんよね~。」 (by TVfan)とか
「智くんの小指の爪綺麗だあ。」
始まった頃はまだギザギザしてた気もするけど、釣りに行ってないから
最近ほんと、色もカタチも綺麗になっちゃって・・・ なんて可愛いんだ!
とか、ひたすら思ってる自分もいる。(笑)

芹沢が魂抜けてる時に、 「僕も今からそちらに伺います」 って言う前の
瞼の動きがかっこいいし~。
「ああ、やっぱ榎本さん、カッケーーっ!」って溜息をつく瞬間もいっぱい。

我ながら、忙しい。(笑)

 「よりよい介護の為に技術の粋を集めて作られたこのロボットも、社長にとっては単なるフォークリフトの代用品に過ぎなかったということです。」
かーっ!
榎本さん、めっちゃ皮肉ってるー。
まあ、被害者の社長、
ワンマンだわ、横領はするわ・・・・
慕ってる久永さんが可哀想になってくるもんな・・・

 「六億円相当の貴金属類はやはり犯人に盗まれたようです。」
いつもなら一点を見つめて喋る榎本くんが、なぜかキョロキョロしてるんだよね。
小説読んでなかったら、確実にここで、「お前が盗んだのか?!」って思うとこだった。(笑)


きゃああ!響く靴音があ! 
しかも喋り方までーーーっ!
いつもの榎本さんとちょっと違う。
近いっ! 成瀬先生に近すぎるっ!
画面見ないと、気が変になりそーーー。 見ろって(笑)
いやいや、いかん。 榎本さんですからっ!
章と対決にいく榎本さんよっ!
榎本くん、榎本くん、榎本くん。。

戻して戻して、頭リセット、鍵モードに戻して・・・・

しかし、皆の前で種明かしするのかと思ったら、そうじゃなくて
一人で佐藤(章)を追い詰めるんだ。
榎本くんの、意図は?
佐藤の事は当然純子から聞いている筈だから・・・・
とすると、彼なりの思いやり?
それとも、話してみたかった・・・?

章:「冗談でしょ!」
径:「残念ながら、本気です。」
ここ、このセリフ、なんか好き!

理由はなんであれ、このシーンを創ってくれたスタッフさんに感謝!
二人の対決は圧巻だったー!
じわりじわり外堀から少しずつ逃げられないように攻めて行く榎本径。
一筋縄では行かない椎名章。
だんだん涙目になってくる椎名章。
鋭利さを増してくる榎本径。

章は、誰にも言えなかった心の内を、
自分と同じ側の人間だと感じてる榎本だからこそ話せたんだろう。

 「それで・・・ガラスは越えられたんですか?」
この、声音、どうやって表現したらいいんだろう?
優しいでもない、呟くでも、細いでもない・・・
「哀しい」かな・・・

 「復習を果たし、ダイヤを手に入れてあなたは開放されたんですか?」
これは優しい。
哀れみというより・・・ 、心を痛めてるように聴こえる。

ピリピリと荒んでいた章の目が穏やかになってる。
自分でも気づいていなかった、自分の本当の気持ちを榎本に見抜かれ、気づいてしまった章。

 「ぼくは・・・ガラスの箱に閉じ込められるのは御免です。」
 「たとえ向こう側にいけないとしても・・・・自由でいたいんです。」

 やっぱダメだった。
予告シーンだけでうるうるしちゃったから、泣かないように頑張ってたけど、
章も泣いてるし、榎本の今まで見せた事がない切ない顔でこのセリフ。
榎本さんの真意は汲み取れてないかもしれないけど、言いたい事はわかる。
聞いた章の気持ちは、痛いほどわかる。
泣くわっ! もう、泣いてわりーか。思いっきり泣いちゃるっ!

章が変わったと確信した榎本さんの顔、めっちゃいい顔。
そのお顔で、もう一回、”嬉し泣き” さしていただきます!


高飛び(笑)する前に電話してくる榎本くん、律儀や~ん。
てか、悪りそうな顔してんな~。(笑)
いやん。原作の榎本くんみたいっ!

あー、面白かった。

しかし、「全部拾う」って言ってた伏線全然拾えてない気がするのは気のせいかなあ。(笑)
TTSに入社した経緯もわかんないし、
屋上で鍵開けてたのなんだったのかとか・・・ ま、それは触れないとは思ってたけどね。
せめてTTS入社とあの扱いの謎だけは教えて欲しかったわ。
それに、いきなり人が消えたら自宅にも行くでしょ、自宅!
自宅も引き払ってたのかな?
まさか、本当に倉庫には住んでないと思いますが・・・?

ま、どっちにしても、任意同行された時の、鴻野の態度からヤバイって感じたんだろうなあ。
自由でいたいんだもんね。(笑)

あーあ。
 素顔 見せないままEscape!
ほんとにやっちゃったよ。(笑)

また会えそうな気がするよ、径くん!


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