Cut (カット)2011年11月号  (2011.10.19発売)
表紙:怪物太郎/中の写真も全て怪物太郎
『映画 怪物くん』特集記事26P
大野智8P(写真5,インタビュー3)/藤子不二雄A:4P(写真1,インタビュー3)
八嶋智人/上島竜兵/チェ・ホンマン/川島海荷/濱田龍臣 各2P(写真1,インタビュー1)
テキスト:上田智子

いきなり脱線しますが、以前、上甲薫氏のアラシック目線なレポートに感動して、ネット検索した時、嵐の記事を書かせたらこの3人、アラシック的「出版界三大神」 と挙げられていたのが
上甲薫、米川里代、上田智子、この、お三方だった。
その頃は、ライターさんの名前なんか意識してなかったので、「へーそうなんだ・・」と思ったに過ぎなかったけれども、名前は心に留めてた。
そして、先日+act.で米川里代さんのすごさを思い知る。
そして、今日、上田智子さんの記事を読んで、「三大神」と挙げられていた事に納得。

上甲さんは、自分(嵐ファン)と同じ目線で、正に私達が考えてる事を代弁してくれる。
米川さんは、隣に寄り添い見守り、深く理解してるからこその質問を投げかけ、智くんも自然にそれに答えてて、その親密さに嫉妬しそうになるほど。
上田さんは・・・・対面的。
真正面から、客観的に分析、推論した考えを、インタビューで裏付けていく、そういう感じ。
どなたも素晴らしいライターさんとして、心に刻みました。

いい加減、映画誌読みすぎて、同じような記事に感動も薄れてきた今日この頃・・・・
写真も太郎ちゃんばかりで、テンションも下がっておりました。
もろちん、ソファの上で膝を抱えて眠る太郎ちゃんは絶品で、目がくぎづけになりましたが、
やっぱり、どんなに可愛くとも、太郎ちゃんは「大野智」には勝てないのです。

そこに、上田さんの文章。
おこりんぽうでわがままだけど、恥ずかしがり屋で実は優しい、怪物ランドのプリンス。
そんなキャラクターを演じることのできる役者が、大野智以外にいただろうか。
見た目の可愛らしさの説得力、マンガちっくな動きを体現できる身体能力の高さだけでなく、コミカルとシリアスを行き来する芝居の自由さと、特殊メイクでも違和感なく気持ちが届く演技力を兼ね備えていなければならないのである。怪物くん=大野智でなければ、実写版『怪物くん』は成功どころか成立もしなかったと断言できる。
 
褒めすぎ、褒めすぎ・・・どこかでブレーキをかけようとしていたけれど、
嬉しいのか何のか、理解もしないうちにうるうるして来る私。
冒頭のこの文章で、いきなりパンチを食らわされたみたい。
でも、踏ん張った。まだまだいっぱい読まなくてはっ! なんとか冷静になって続きを。
でも、この後、震災時の「怪物くんになってのメッセージ」の事に話が及び、いとも簡単に堰は切れました。

『映画怪物くん』のクランクアップ直後の3月と、7月下旬の2回分のインタビューをまとめて掲載なんて、面白い事をしてくださる。
智くんの意識も変わってなさそうで、微妙に変わってる気もするな。

智くんが、今までやっていた、役の過去を書き出して人物像を組み立ていくような役作りではなく
「怪物くんは人間界で知らないことを学んでいくから、役作りも何も、なんも知らなくていいから。」
「なんにも考えないで、そこから始まり」
 また簡単そうに仰って。(笑)確かに、人物の過去を細かく設定して緻密に組み立てていくのも大変だけど、演じながら、ゼロから育って行くっていうのも、これまた大変なんじゃないかな。

「台本読んで、段取りやって、リハーサルやってくうちに、なんかしたくなるの。怪物くんは何やってもいいから、どんどん探しちゃうんだよね。どんどんなんかしたくなる自分と怪物くんがリンクしてる感じ。いたずら、じゃないけど」
「暇潰しをしたいって感じ、そのシーンの中で」「埋めたくなっちゃう、自分でもどんな顔してるかしらないんだけど『何その顔?』っていう顔をやりたくなっちゃうんだよ」
 確定されていないから、次から次から、新しい怪物くん、というか、やってみたい事が湧いて来るって事なのかな。今まで、自分を殺してがっつりその人物になりきって演じてた智くん。
怪物くんの場合は、怪物くんでありながら、大野智の気持ちも活きてるって事なのかな・・・
ま、よくわからないけど、智くんが、本当に楽しそうなのは理解る。

「怪物くんに変身するって思ってる子がいるから、今年は髪の毛の色を変えないようにしてるの」
そうだったんだね。何事にもマイペースってよく言われてる智くんだけど、
人一倍繊細で、人への思いやりが満載なんだよね。
黒髪がいい~っ! とかいつも言っててごめんね(笑)


インタビュアーさんの引き出し方が巧いのかな。他の共演者さんのインタビューも、楽しく読みつつ、どこかで、なんか込み上げてきたりして・・・
いつもは、智くんしか見てないというか、注目してないけど、じっくりお話を聞くと(読むと)皆さん、本当に自分の役に対して理解して、大切にしてらっしゃるんだなって。
ますます、軽い気持ちで映画見れないな、とか思ったり。
いや、でも映画見る時はまっさらな気持ちで見るけどね。

怪物くんは、もともと苦手なアニメキャラで、
ラブモードになれず、ドラマの時は感情移入も難しかった。
でも、「智くんと太郎ちゃんの物語」っていうか、二人の「歩み」をリアルタイムで見て来て、
智くんが怪物くんを大切にしているのがすごく分かるから、
だんだん怪物くんが、ただのアニメキャラでなくなって来た感じ。

頑張って、そして楽しんで、智くん。

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